第88回“初かつをと活とり貝”の話
【初がつを】
女房を質に入れてでも食べたい。とか青菜やホトトギスと並び称されたりと、江戸っ子がこれぞ「旬」と胸を張るのが「初がつを」。
春から夏の太平洋側を北上する上りガツオを、こう表現します。
脂こそ少ないものの澄んだ赤身はみずみずしく、爽やかな香りとともに若々しさが匂い立つようです。
「戻りかつを」にはない爽やかさが最高です。
【活とり貝】
こんな甘くてやわらかい生とり貝を食べたら、あと一年は食べずに待つと言うお客様もいるほど、蒸しとり貝とは別物と思える程美味しいのが活とり貝。
殻の色は違いますが、形は赤貝に似ています。
ただ貝殻は非常にやわらかくすぐに割れてしまいます。
お客様には食べて欲しいのですが、入荷も値段もなかなか一定しません。とてもお薦めしづらいのです。
たまたまあったら「ラッキー!」と思って是非食べてみてください。
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