第27回 カンヌキの話

この季節、築地市場には「カンヌキ」という耳慣れない魚の名前を聞くことがあります。どんな魚か想像しにくいですが、特上のサヨリの事です。カンヌキは漢字で書くと「閂」。観音開きのとびらの錠を横に渡す棒の事です。体長30cmを超える大きなサヨリが一見この「閂」（カンヌキ）に良く似ていることから、こう呼ばれるようになったとか。

カンヌキは春を告げる魚で関東近海の湾では3月〜5月にかけ、群れをなして海面を泳ぐ姿が見られます。すしにする時は薄塩をしてさっと酢にくぐらせて（酢洗い）にぎります。サヨリの皮は塩焼にしてお出しします。また、昆布〆にしたり、潮汁のお椀にして頂くのも上品な味わいです。

是非、召し上がってみてください。

まさに「カンヌキ」の様な特上のサヨリです。