第11回　最近のまぐろ事情

マグロの中でもクロマグロ（本マグロ）が漁獲枠38％削減という見出しが新聞各紙に大きく取り上げられていました。地中海を含む大西洋でとれる「大西洋マグロ」と日本近海など太平洋でとれる「太平洋マグロ」の二種類あります。が、両方とも削減です。マグロはすし屋にとっては大切なすし種です。江戸前でマグロが消える事はないと思いますが「本マグロ」は、これから先大変、手に入りにくくなって行くと思われます。

私もこの道に入って32年経ちますが、入りたての頃、親方が毎日毎日、魚や貝を仕入れてくる。仕込みをしながら東京中のすし屋や日本料理店そして、日本中のすし屋なども毎日使っている。「よくまあ、無くならないなあ〜」と思っていましたし、「海はでかいなあ」とも思っていましたが、いよいよ現実になって来ました。
個人的意見を言わせて頂きますと、毎年まんべんなく獲ってしまうのではなく、「今年は、この貝とこの魚は禁漁」と間隔をあけて獲るという「育てる漁業」がこれからもっと大切ではないかと思います。そして、私たち消費する方も美味しい魚や貝を長〜く楽しめるようにする為に我慢する、「考える時」が来ている気がします。

さて、今年も残りあとわずかになりました。当店は忘年会、正月、新年会と、もうひと頑張りしますので、よろしくお願いします。
良いお年をお迎えくださいませ！！