先日、あるお客様から「おたくの玉子焼、焦げてたけど失敗しちゃったの?」と言われました。
そうか、最近のすし屋の玉子焼は市場で買ってきたり、関西風のだし巻き玉子が主流になっていて、焦げ目のないきれいな黄色です。
私どもの玉子は江戸前すしの流れをくむ玉子焼です。
「素焼き」と言います。
つなぎに主に海老を入れますが、最近は甲殻類アレルギーの方が増えているので脂気の少ない平目を入れることが多いです。
一度茹でて、さらしてから入れます。
よく大親方(親方の父)が40年前に、「私の本家の玉子焼は明治のいつ頃完成したかは知らないが、50年前にすでに評判になっていた。私もその流れを組む者として責任がある。」と、熱く語っておりました。(ということは90年以上も前ってことですかね?)
<焼き方>
焼き鍋を火にかけて熱しておきます。
まず当り鉢(すり鉢)で砂糖を良くすり(細かい粒子になるまで)ます。
そして先程の平目のすり身と合わせて、酒、みりん、塩少々、醤油少々を入れてよく混ぜます。
卵を入れてざっくりとかき回します。
混ぜすぎるとコシがなくなるので注意します。
焼き鍋が熱くなったところで卵をすり流し込み、細火にしてじっくり焼きます。 だいたい一枚焼くのに20分位かかります。
玉子が焼けてきたら、鍋の四方に付いた玉子をまず1本の箸で先の方から回しながら剥がします。
表面にまだ焼けていない玉子をボールに流し、焼けた玉子を一度落し蓋を使い裏返します。その時に玉子の下側がきつね色になっています。(これを焦げと思っている人がいるようです)
落し蓋にのせた玉子は滑りやすく、落とさないようバランスを保ち、先ほどボールに取ったまだ生の玉子を焼き鍋に移し、その上に落し蓋の玉子を戻します。
そして今度は表側を焼くので、焼色が付かないように細火にして玉子を焼き上げます。
素焼きと言ってもそこそこの厚みがありますので、三年や五年ではうまく焼けません。
慣れてきたら少しづつ暑く焼くようにします。
出来上がり直近になると落し蓋が持ち上がってくるので、そこで火を強火にして蓋を上から強めに押して落ち着かせます。
そしたら鍋を裏返しにして蓋に玉子をのせ、敷板に紙を敷き、その上にのせておきます。
紙は油を取るためです。
私どもの玉子焼は必ず表裏があります。
表はきれいにする為に焼き目が入ってはならないのです。
最後に親方はこんなことを言っておりました。
「近頃は厚焼と称して料理の玉子焼を切って鮨にしている店もあるが、商売人(職人)はそんな事はしない。なぜならば油臭くて仕方ないからだ。」
昔からすし屋へ行って玉子のすしを食べればその店の程度が分かるとか、シャリの味が分かるとか言われます。
お客様もその事を良く知っていたものでした。
玉子の焼き方は各店それぞれ、作り方も違い、焼き方も違います。
私は親方から教わった焼き方を一貫して通してきましたし、これからも精進しようと思います。
玉子だけを食べるのも結構ですが、是非すしとしてシャリと一緒に召し上がってもらいたいものです。
なぜなら、すしとしての玉子焼を作っているからです。
みやこ鮨 店主
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