第183回春子鯛（かすごだい）と煮いかの話

◎春子鯛

春になると出てくる鯛。

昔はチダイの幼魚を指していましたが、近年はマダイやキダイの幼魚も春子と呼ばれています。
江戸前鮨の一つで、この時期になると仕込みをします。

春（はる）の子（こ）の鯛（たい）。
なんと素晴らしいネーミングでしょう。
名前だけでも食べたくなるのは私だけでしょうか？

仕込み方はしっかりとウロコを取り除き、塩をして酢締めにして握って提供しています。
春子鯛は柔らかい皮を残して身に飾り包丁を入れて早春と味と香りを味わいます。

◎煮いか

やりイカがこの時期、子持ちで出回っています。
このすしネタも春ならではです。

目や口や背骨を取り除きますが、背骨を取り除く時はイカが抱えている卵を取り出さないように慎重に行います。
濃いめの煮汁を作って煮ますが、煮すぎると身が固くなってしまい、煮足りないと卵に火が通っていない事になってしまうので、この仕込みは付きっきりでします。

酒のアテ、また握りでも提供しています。