第98回 “春の魚” の話
今回は春に旬を迎える二つの魚を紹介します。
一つはサヨリです。
細魚・針魚とも書くように、ほっそりと長く、銀色の身体を持つサヨリは美しい魚です。
漁獲量の多い産卵期の春が旬です。
<身の締まった秋口を旬とする地域もあるようです>
産卵前の大型の物は閂(かんぬき)と呼ばれています。
歯切れが良く、淡白な身はあっさりした味の中にも、
味わい深いうま味を感じます。
二つ目は白魚(しらうお)です。
白魚は春の代名詞、昔は隅田川河口周辺などでも獲れていて、
江戸前の代表的なし寿司ダネだったそうです。
当然昔は「生」では握らず、煮ておぼろをたくさんかまして握ったそうです。
白魚を煮て出す仕事は大変難しく、手間のかかる仕事、
今では滅多にお目にかかれません。
私も一度チャレンジしようと思っています。
それにしても白魚の黒い瞳はつぶらに張って愛らしいんです。
味は潮の香りを含んで、ほんのり甘い。
今回はこの二つの美しく、美味しい魚を紹介しました。
是非ご賞味あれ!!
みやこ鮨 店主
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