第86回　“やりいか”の話

名前の通り先端が槍のように尖った「いか」で、菱形のヒレ、長い胴、細い足を持っています。
やや薄い身は甘く、刺身やすしダネなど人気のある「いか」です。

この初春の頃になると熟卵を抱いた「子持ちやりいか」が出回ってきます。 江戸前の「煮穴子」「煮はまぐり」同様、古くから「煮いか」として江戸前鮨の一つです。

このやりいかは、身が薄いので煮すぎると固くなりやすいので注意が必要です。沢山の場合でも少しづつ煮ることが大事です。
味付けは酒を主として、醤油、砂糖で濃い目にしておきます。煮立ったらイカを入れます。イカはしばらくすると丸くなって盛り上がってきますので、素早く裏返してまた少し煮て、ザルに上げて冷やします。

酒の肴の時は横に切ってツメを付けて食します。

握りは縦に切ってやはりツメを付けて食します。

子持ちの独特な「もちもち感」は最高です。
美味しい時期は短いので、是非お見逃しなく!!