第63回　旅立ちの話

私の右腕として長年働いてくれた、雄二がこの四月に退職し、独立する事となりました。（4月20日付）

私が柳橋で修業している時に、料亭の花板さんである友人に紹介されたのが、約29年前になります。当時、雄二は16歳でした。

私が27歳の時、板橋で店を任される事となり、人を探している時に丁度、雄二が仕事で悩んでいる時で仕事を辞め、実家に帰っていました。

私は、雄二はすし屋みたいにお客さんと接しながらの仕事が向いていると思い、その先輩に相談した所、「うん、いいんじゃないか」と言って頂き、雄二と共に板橋の今はなき「駒鮨」と言う店で、共に仕事を始めました。

私27歳、雄二17歳でした。6畳一間で寝食を共にし、魚河岸に仕入に行き、そして夜遅くまで働きました。10年近くやって来た私でさえも大変でしたので、17歳の雄二には大変辛かったと思います。

そして、私が独立した時も一緒にやってくれて、いつの間にか28年間が過ぎてしまいました。もう身内以上の存在となった雄二が独立いたします。大変、喜ばしい事であり、また大変さびしい気持ちでもあります。

でも、やるからには是非、成功して良き親方になってもらいたいと思っています。
雄二、本当に長い間支えてくれて、ありがとう。
今までの苦労を思えば、大抵の事は大丈夫。頑張ってください。
皆様も是非、雄二の方の応援、宜しくお願いいたします。
みやこ鮨も忘れないでネ!!

◎「穴子重」です！(2,400円＋消費税)

江戸前の穴子を柔らかく煮て
香ばしく焼き上げました。
自家製玉子焼の上に並べたおすすめの一品です！