第41回 鯵（あじ）の味な話

初夏から夏へ移行する時季。
体調をくずされる方なども増える時季であります。
こんな時、築地市場では真あじの人気も高まります。
当店でもあじのすしはもちろん、刺身やタタキ、また酢じめにしたあじを押しずしにした「あじのしそ巻」などお客様から大変好評をいただいております。

暖水系の海に生息する真あじは主に関東から西の海で漁獲されます。
春先から少しずつ成長して夏場には脂たっぷり。
あじの開き（干物）も夏場に加工される事が多く、それだけ味が良いというわけです。
カルシウム、DHAなどが豊富で栄養満点です。
是非、これからの暑い夏、真あじを食べて乗り切ってください。

私も35年余り、この仕事に携わりまして沢山の諸先輩から色々お話を伺ってまいりました。その中には大変為になる話も多くありました。そんな話を少しずつ打ち明けたいと思います。

「竹は節があるから真っすぐ伸びる
　　　　ゆっくり歩け　空を見ろ
　　　　　　　　 立派（りっぱ）すぎると疲れるよ…」

もう30年位前、私が見習いの頃、たぶん60歳位の御馴染さんを家までお送りする時、一緒に歩いていて話してくれた言葉です。
多分その方から見た私は肩に力が入っている様に見えたんでしょう。
なんか「ホッとした」事を覚えています。今頃になって身に沁みる言葉です。