第151回 新子の話

7月中旬から8月上旬頃までに出回ってくる魚で、すし職人なら避けては通れない新子の仕込み。
今年もその時期を迎えました。

新子とは小肌の幼魚で、東京では 【しんこ → こはだ → なかづみ → このしろ】 と成長するにつけて名前が変化する出世魚です。

身が柔らかく、足が速いので、新鮮なうちに酢と塩で締めます。
この時の塩の時間が非常に大切で、ここで味が左右されます。

にぎり一貫に3匹〜4匹づけの新子は、ごく一時期しか賞味できない夏を飾る清新で、初々しさを感じることができます。

どんなに小さくても鱗はしっかり付いてますし、身も非常に柔らかいので、仕込みに神経を使います。
しかし出来上がった時は何故か爽やかな嬉しい気分になるのです。

提供する時期が短いので、もしネタ札に「新子」とありましたら、是非ご賞味ください。